中国のクリエイター発のグッズやボードゲームを探すとき、「摩点(モディエン)」という名前に出会うことがあります。摩点は中国で最も歴史の長いクラウドファンディング・プラットフォームのひとつで、故宮(紫禁城)の謎解き本からアニメ映画グッズ、BJD(球体関節人形)まで、数々の話題作を生み出してきました。この記事では、摩点がどんなサービスなのか、そして摩点を代表する人気プロジェクトを、実際の数字とあわせて紹介します。
摩点とは?2014年創業、微博も出資する中国の老舗クラウドファンディングプラットフォーム
摩点は、北京摩点会想科技有限公司が運営する、文化クリエイティブ領域のクラウドファンディング+ECプラットフォームです。2014年6月に北京でスタートし、中国のクラウドファンディングの草分け的存在として知られています。創業者の黄勝利(ホアン・シェンリー)氏は、投資銀行の華興資本出身で、京東(JD.com)や滴滴出行などの資金調達を支援した経歴を持ちます。
摩点は2018年に中国のSNS大手「微博(ウェイボー)」から1億元(約20億円)超の出資を受け、微博の公式クラウドファンディングプラットフォームになりました。取り扱うジャンルはゲーム・アニメ・映画・ボードゲーム・トレンドトイ(潮玩)と幅広く、クラウドファンディングのほか、完成品を販売する「摩点商城(モディエン・モール)」と、ユーザー同士が交流するコミュニティ機能も備えています。
摩点の公式発表によれば、これまでに約10万件のクリエイティブ商品が摩点で資金調達・販売され、約2万人のクリエイターを支援。プラットフォームには1,000万人超の若年ユーザーが集まっています。
新物集との違い、そして「クラウドファンディング」の仕組み
中国のクリエイティブ系クラウドファンディングには、もうひとつ「新物集(シンウージー)」という有力プラットフォームがあります。両者の違いを整理すると、次のようになります。
- 摩点(モディエン):2014年創業の老舗。ゲーム・アニメ・映画・ボードゲーム・トレンドトイとジャンルが幅広く、故宮の謎解き本や映画グッズなど、ボードゲーム以外の大型プロジェクトも多いのが特徴です。
- 新物集(シンウージー):2020年創業。ボードゲーム大手「遊卡」が運営し、ボードゲームとBJDに特化した予約販売プラットフォームです。詳しくは新物集の解説記事をご覧ください。
仕組みは日本のクラウドファンディング(CAMPFIRE・Makuakeなど)とほぼ同じです。各プロジェクトには目標金額と達成率が設定され、価格帯ごとの「支援コース」を選んで支援します。支援期間が終了すると原則として入手できなくなるため、人気作は中古市場でプレミア価格になることもあります。摩点の場合は、クラウドファンディング終了後に「摩点商城」で完成品が販売されるケースもある点が、新物集との違いです。
摩点を代表する人気プロジェクト
摩点の存在感を語るうえで欠かせないのが、これまでに生まれた「業界記録級」の大型プロジェクトです。以下は、公開されている数字で確認できる代表例です。
| プロジェクト | ジャンル | 主な実績・特徴 |
|---|---|---|
| 故宮の謎解き本『謎宮・如意琳琅図籍』 | 出版・パズルブック | 北京の故宮博物院(紫禁城)が初めて手がけた謎解き本。2018年10月に取引額2,020万元(約4億円)を記録し、世界の出版系クラウドファンディング記録を更新しました。 |
| 映画『哪吒之魔童降世(ナタ 魔童降世)』公式グッズ | 映画・キャラクターグッズ | 大ヒットアニメ映画『ナタ 魔童降世』の公式グッズが1,893万元(約3.8億円)を集め、中国の映画関連グッズのクラウドファンディング記録を塗り替えました。 |
| 『西遊記』コンサート | 音楽・ライブ | 2016年8月に460万元(約9,200万円)を集め、当時の中国のライブ・舞台系クラウドファンディング最高記録を樹立しました。 |
| ROOT:茂林源記(Root) | ボードゲーム | 遊卡が2019年に摩点で支援を募った「遊卡三傑」の一作で、約115.5万元を記録。後に新物集の『污痕聖杯』が440万元で更新するまで、中国のボードゲーム・クラウドファンディング記録を保持していました。 |
日本でも人気の「BJD(球体関節人形)」プロジェクト
ボードゲーム以外で近年とくに盛り上がっているのが、BJD(Ball-Jointed Doll、球体関節人形)です。日本では「ボークス(Volks)」の「スーパードルフィー(SD)」が有名なジャンルですが、中国では2025年頃から、PVC素材などで価格を抑えた「百元級(100元台=約2,000円台)」のBJDブラインドボックスが急成長しています。
摩点はそうしたBJD企画の主要な舞台のひとつです。業界メディアの集計では、2024年から2025年にかけて摩点だけで9件のBJD関連企画が100万元(約2,000万円)を突破。摩点と新物集を合わせると、過去1年間で約30件が100万元超、1,000万元(約2億円)超の企画も3件登場しています。
摩点を代表するBJD企画の例として、12分サイズのBJDブラインドボックス「糖指数100%」が約870万元を集めたことが報じられています。ほかにも、中国の伝統的な戯曲衣装を取り入れた「梨園遊夢」や、8分サイズの「光與影」など、個性的な企画が続々と登場しています。
日本のユーザーにとって、なぜ摩点が気になるのか
摩点は中国国内向けのサービスですが、日本のユーザーにとっても見逃せない要素がいくつかあります。
- 故宮や『ナタ』など中国文化IPの公式グッズ:故宮博物院の謎解き本やアニメ映画の公式グッズなど、日本では手に入りにくい中国発の文化IPグッズが集まります。
- アニメ・ゲーム・映画の周辺グッズ:日本のアニメ・ゲーム文化と重なるジャンルも多く、中華圏限定のグッズや先行販売品をいち早く入手できるのが魅力です。
- BJD(球体関節人形):前述のとおり、日本でも人気の高いBJDの新作企画が摩点で多数生まれています。
一方で、摩点の商品はクラウドファンディング中心のため、日本から直接参加するのは簡単ではありません。次の章で説明します。
日本から摩点を利用する際の注意点
摩点のプロジェクトに参加するには、原則として次の条件が必要です。
- 中国のアカウントと支払い手段:支援には中国の携帯電話番号での登録と、支付宝(アリペイ)や微信支付(ウィーチャットペイ)などの中国の決済手段が必要です。
- 中国国内の受取住所:商品の発送先は中国国内が基本で、海外への直接配送には対応していないケースがほとんどです。
- 到着までの時間:クラウドファンディングのため、支援から発送まで数か月〜1年かかることがあります。予約期間を逃すと入手できない点にも注意が必要です。
摩点の商品を日本から手に入れるには
ここまで読むと「面白そうだけど、中国のアカウントも住所もないし、支援の管理も大変そう」と思われたかもしれません。実際、摩点のクラウドファンディングを日本人が単独で進めるには、言語・決済・受け取りの三つの壁があります。
117MARTの代行では、こうした中国の予約販売・クラウドファンディング商品の支援代行・代理購入を承っています。中国語でのやり取りや決済、中国国内の倉庫での受け取り・保管をこちらで行い、予約販売特有の「発送待ち」の期間も含めて商品をお手元までお届けします。摩点や新物集などの予約販売・クラウドファンディング商品についても「この商品、買えますか?」という相談からお気軽にどうぞ。
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